のどや口は、呼吸・発声・飲み込みに関わる重要な器官で、炎症や感染、刺激によってさまざまな症状が現れます。
のどの痛み、違和感、声がれ、飲み込みにくさなどは、咽頭や喉頭、口の中に起こる病気が原因となることがあります。
軽い症状に見えても、長引く場合や悪化する場合には、適切な診断と治療が必要です。

 【症状で探す】あなたの咽喉・口の不調

🔴 早めの受診をおすすめする症状

  • 息が苦しい、呼吸困難がある(ゼーゼー・ヒューヒューと音がする)
  • 唾液や水分が飲み込めず、よだれが出てしまう
  • 飲み込むことがほとんどできない(嚥下困難)
  • 声が急にかすれる、声が出しにくい(閉塞感を伴う)
  • 高熱(38.5℃以上など)が続く
  • 首や喉の激しい腫れ、首が硬く痛む、口が大きく開けられない

※ これらは急性喉頭蓋炎・扁桃周囲膿瘍・縦隔感染など、 命に関わる重い病気の可能性があります。

🟡 よくある症状

  • のどの痛み(ヒリヒリ・ズキズキ)
  • ものを飲み込む時の痛み(嚥下痛)
  • 違和感や異物感(つまった感じ)
  • 声がかすれる・声が出にくい
  • 軽いせきや痰が出る
  • 熱っぽさ・微熱

 咽喉・口の構造と関連する病気

「咽喉」と「口腔」は、食べる・話す・呼吸するといった大切な働きを担っており、どの部位に異常が起こるかによって、症状や治療法が異なります。

  • 咽頭(上・中・下):鼻や口の奥から喉頭へ続く空気や食べ物の通り道
  • 扁桃:細菌やウイルスの侵入を防ぐ免疫の働きを担う
  • 喉頭:声帯を含み、声を出すことと呼吸に重要な役割を担う
  • 口腔:舌や歯ぐき、口の粘膜からなり、食事や発音に関わる
部位よくある病気例
咽頭かぜ、急性咽頭炎、慢性上咽頭炎
扁桃急性扁桃炎、慢性扁桃炎、扁桃周囲炎
喉頭喉頭炎、急性喉頭蓋炎、声帯ポリープ
口腔口内炎、口腔乾燥症、口腔白板症、唾石症

 検査

問診と診察で症状の背景を確認したうえで、状態に応じた検査を行います。

  • 内視鏡による診察:細いカメラを鼻から挿入し、咽頭・喉頭・声帯・口腔の奥をリアルタイムで観察します。
  • 細菌・ウイルス検査:のどの痛みや発熱がある場合、必要に応じて迅速検査や培養検査を行い、原因となる細菌・ウイルスを特定します。
  • 唾液・唾石関連検査:唾液腺の腫れや痛みがある場合に、超音波検査(エコー)を使って唾石の有無や唾液腺の状態を評価します。
  • 発声・嚥下機能の評価:声のかすれや飲み込みにくさがある場合、簡易的な発声評価や嚥下の状態を確認し、必要に応じて詳しい嚥下検査につなげます。

 咽頭の病気

• かぜ(感冒)

かぜ(感冒)は、主にウイルス感染によって起こる上気道の炎症です。多くは数日から1週間程度で自然に軽快しますが、 ”かぜは万病のもと” と言うように、症状の出方や強さには個人差があります。
疲労や睡眠不足、気温差などで免疫力が低下していると、かぜをひきやすくなります。

主な症状

  • のどの痛み・違和感
  • 鼻水・鼻づまり
  • せき、痰
  • 発熱・寒気・全身のだるさ

症状は徐々に改善することが多いですが、高熱が続く場合や症状が長引く場合強いのどの痛みや息苦しさがある場合 には、早めの受診をおすすめします。

• 咽頭炎(急性 / 慢性)

咽頭炎は、のどの奥(咽頭)に炎症が起こる病気です。
急性咽頭炎は、かぜなどのウイルスや細菌感染が原因で起こることが多く、慢性咽頭炎は、炎症が長期間続く状態で、喫煙や乾燥、声の使いすぎ、胃酸の逆流などが関与していることがあります。

主な症状

  • のどの痛み・ヒリヒリ感
  • のどの違和感・乾燥感
  • 飲み込むときの痛み
  • 声が出しにくい、声がれ
  • 痰がからむ感じ

急性の場合は、適切な治療により比較的早く改善します。
慢性の場合は、症状を悪化させる要因を避け、生活習慣を見直すことも大切です。

• 慢性上咽頭炎

慢性上咽頭炎は、鼻の奥とのどの境目にある 上咽頭 に炎症が長く続く状態です。強い痛みは少ないものの、のどや鼻の奥の違和感、不快感が続くのが特徴です。
かぜを繰り返したあとや、鼻炎・副鼻腔炎、口呼吸、乾燥などが関係して起こることがあります。原因が分かりにくい症状が続くため、見逃されやすい病気のひとつです。

  • のどの違和感・イガイガ感
  • 鼻の奥の不快感や痛み
  • 痰がからむ感じ
  • 後鼻漏(鼻水がのどに流れる感じ)
  • 首や肩のこり、頭重感

生理食塩水による鼻洗浄で炎症を抑えます。症状や状態に応じて、EAT(上咽頭擦過療法) を行うことがあります。

 扁桃の病気

• 扁桃炎(急性 / 慢性)

のどの奥にある扁桃(中咽頭の両サイド)に炎症が起こる病気です。急性扁桃炎は、細菌やウイルス感染が原因となることが多く、慢性扁桃炎は、炎症を繰り返したり長く続いた状態です。

主な症状

  • のどの強い痛み
  • 発熱
  • 飲み込みにくさ・飲み込むときの痛み
  • 扁桃の腫れや白い付着物
  • 首のリンパ節の腫れや痛み

急性扁桃炎は、適切な治療により症状の改善が期待できます。溶連菌感染は抗菌薬を使ってしっかりと治療する必要がある一方、伝染性単核球症は一部の抗菌薬と相性が悪いため注意が必要です。
慢性扁桃炎では、体調管理や生活習慣の見直しも重要ですが、反復例では扁桃摘出術が選択肢となります。

• 扁桃周囲炎 / 扁桃周囲膿瘍

扁桃周囲炎は、扁桃のまわりの組織に炎症が広がった状態です。炎症が進行して膿がたまったものを 扁桃周囲膿瘍 と呼びます。

主な症状

  • 片側に強く出るのどの痛み
  • 高熱
  • 飲み込みにくい、飲み込むと強く痛む
  • 口が開けにくい
  • 声がこもる感じ

扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍は、早期の治療がとても重要です。症状が進行すると、治療に時間がかかり、くびに炎症が進展して、手術が必要になることがあります。
強いのどの痛みや発熱、飲み込みにくさがある場合は、できるだけ早く受診してください。

 喉頭の病気

• 喉頭炎 / 声帯炎

喉頭炎は、声帯を含む喉頭に炎症が起こる病気です。喉頭の中でも特に声帯に炎症が及んだ状態を 声帯炎 と呼びます。
かぜなどの感染症のあとや、声の出しすぎ、喫煙、乾燥、胃酸の逆流などが原因となることがあります。

主な症状

  • 声がかすれる、声が出にくい
  • 声が出ない、出してもすぐ疲れる
  • のどの違和感や痛み
  • せきが出る
  • 話すと症状が悪化する

多くの場合は安静と適切な治療により改善します。声を無理に使い続けると症状が長引いたり、慢性化することがあります。
声がれが続く場合や、症状が改善しない場合は、早めの受診をおすすめします。

• 声帯結節 / ポリープ / 嚢胞

声帯は喉頭の中にある左右一対のひだ状の組織で、柔らかい粘膜とその下の組織から成っており、この粘膜がなめらかに振動することで、声を出すために重要な役割を担っています。
とても繊細な構造のため、声の使いすぎや乾燥、喫煙、胃酸の逆流などの影響を受けやすく、結節(タコのように一部が固くなる)、ポリープ(水ぶくれ)、嚢胞(袋のようなもの)ができることがあります。

主な症状

  • 声がかすれる
  • 声が出にくい、声が安定しない
  • 話すと疲れやすい
  • 高い声が出にくい
  • 長く話すと声が悪化する

声の安静や生活指導で改善する場合があり、飲酒やたばこを控えることも大切です。ポリープや嚢胞では、生活に支障がある場合には、手術をお勧めする場合もあります。

• 急性喉頭蓋炎

喉頭の入り口にある 喉頭蓋 に急激な炎症が起こる病気です。炎症によって喉頭蓋が強く腫れ、空気の通り道が狭くなるため、命に関わることがあります。

主な症状

  • 強いのどの痛み
  • 高熱
  • 飲み込みにくい、唾液が飲み込めない
  • 声がこもる
  • 息苦しさ

急性喉頭蓋炎は、窒息の危険があり、早急な対応が必要な病気です。
強いのどの痛みとともに飲み込みにくさや息苦しさがある場合は、できるだけ早く受診してください。

 口の病気

• 口内炎 / 舌炎

口の中や舌の粘膜に炎症が起こる病気です。刺激や傷、口腔乾燥、ストレスや体調不良、ウイルス・細菌感染、自己免疫疾患、ビタミンやミネラルの不足などをきっかけに発症することがあります。

主な症状

  • 口の中や舌の痛み
  • 食べ物や飲み物がしみる
  • 舌のヒリヒリ感・赤み
  • 口の中の違和感
  • 味を感じにくい

病状に応じて、ステロイド軟膏や、ビタミン剤、ミネラルなどの補充で治療します。ヘルペスウイルスや真菌が原因の場合は、注意が必要です。

• 口腔乾燥症

唾液の分泌が減ることで口の中が乾きやすくなる状態です。口の乾きだけでなく、違和感や話しにくさ、飲み込みにくさを感じることがあります。
加齢や薬の影響、口呼吸、ストレスなどが関係して起こることがあり、唾液が少なくなることで、口の中の粘膜が傷つきやすくなります。

主な症状

  • 口の中が乾く
  • ねばつく感じがする
  • 話しにくい、声が出しにくい
  • 食べ物が飲み込みにくい
  • 口の中がひりひりする

こまめなうがいや水分摂取で口腔内を潤します。口呼吸を控え、鼻呼吸を意識することも大切です。唾液の分泌を促すために、咀嚼回数 を意識したり、唾液腺マッサージ も有効です。また、人工唾液や唾液分泌促進薬を使用することもあります。

• 口腔白板症 / 紅斑症

口の中の粘膜に 白い部分(白板症)
赤い部分(紅斑症) がみられる状態です。いずれも前がん病変とされ、がん化のリスクがあります。
これらは、慢性的な刺激(喫煙、歯や義歯の刺激など)が関係することがあり、
経過観察や詳しい検査が必要になる場合があります。

主な症状

  • 口の中に白い部分や赤い部分がある
  • こすっても取れない
  • 痛みは少ない、またはほとんどない
  • 違和感を感じることがある

経過観察をしても病巣が消えない場合は、組織検査でがん化のチェックが必要です。

 唾石症

唾液腺(耳下腺・顎下腺)の導管の中に 石(唾石) ができる病気です。唾液の流れが妨げられることで、腫れや痛みが生じます。食事のときに唾液の分泌が増えると、あごの下や耳の前が 一時的に腫れて痛む のが特徴です。
症状は片側に出ることが多く、繰り返す場合があります。

主な症状

  • 食事の前後にあごや耳の前が腫れる
  • 押すと違和感や痛みがある
  • 口の中が乾きやすい
  • 発熱や強い痛みを伴うことがある

症状が軽い場合は、水分摂取や唾液の分泌を促すことで自然に改善することがあります。腫れや痛みを繰り返す場合や、炎症を伴う場合には、薬による治療や、摘出術が必要になることがあります。

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