睡眠時無呼吸症候群に対する検査と治療のご案内
睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が何度も止まる病気です。10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上起こると診断され、本人が気づかないまま進行することが多いのが特徴です。
いびきや日中の強い眠気の原因となるだけでなく、放置すると高血圧・心疾患・脳卒中などの重大な病気のリスクを高めます。
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると事故や重大な病気につながる一方で、検査と治療によって、日中の眠気が改善し、集中力や仕事のパフォーマンスが向上することが期待できます。
当院では、ご自宅でできる簡単な検査から始められます。耳鼻咽喉科として鼻やのどの状態も含めて評価し、総合的に治療を行います。まずはお気軽にご相談ください。
お子さまのいびき・無呼吸について
「子どものいびきはよくあること」と思われがちですが、毎日続くいびきは注意が必要です。
お子さまの場合、睡眠時無呼吸の原因はアデノイドや扁桃の肥大であることが多くみられます。また、アレルギー性鼻炎を合併している場合は、さらに症状が増悪します。
◾️ こんな症状はありませんか?
◻︎ いびきが大きい、毎日続いている
◻︎ 口を開けて寝ている
◻︎ 寝相が悪い、寝汗が多い
◻︎ 夜中に何度も目が覚める
◻︎ 朝起きてもスッキリしていない
◻︎ 日中ぼーっとしている、集中力が続かない
◻︎ 落ち着きがない、イライラしやすい
睡眠の質が低下すると、集中力や学習への影響、成長ホルモン分泌への影響、落ち着きのなさなどにつながることがあります。
お子さまのいびきや口呼吸は、早めに原因を確認することが大切です。
お子さまの負担が少ない方法で評価を行いますので、気になる場合は、様子を見ずに一度ご相談ください。
こんな症状はありませんか?
以下の項目に1つでも当てはまる方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
◻︎ いびきが大きいと指摘されたことがある
◻︎ 寝ている間に呼吸が止まっていると言われたことがある
◻︎ 日中、強い眠気やだるさを感じる
◻︎ 朝起きたときに疲れが取れていない
◻︎ 夜中に何度も目が覚める
◻︎ 起床時に頭痛がある
◻︎ 集中力が続かない・仕事の効率が落ちている
◻︎ 高血圧を指摘されている
◻︎ 肥満気味、または最近体重が増えた
◻︎ お酒を飲むといびきがひどくなる

SASを放置するリスク
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に上気道の閉塞を繰り返すことで間欠的な低酸素状態と覚醒反応を生じさせる疾患です。この 慢性的な低酸素 と 交感神経の過活動 は、単なるいびきや眠気にとどまらず、全身に影響を及ぼします。特に高血圧の発症や悪化との関連が強く、治療抵抗性高血圧 の背景因子となることがあります。また、動脈硬化の進行を促し、心筋梗塞や心不全、脳梗塞などの 心血管・脳血管疾患のリスク上昇 が報告されています。不整脈、とくに心房細動との関連も指摘されており、循環器疾患を有する方では注意が必要です。
さらに、睡眠の分断は日中の強い眠気や集中力低下を引き起こし、居眠り運転や仕事中の事故につながる危険性 もあり、睡眠時無呼吸症候群では、交通事故のリスクが通常の約7倍に高まるという報告もあります。加えて、インスリン抵抗性の増大などを通じて 糖代謝異常やメタボリック症候群の悪化 にも影響すると考えられています。中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸を未治療のまま放置すると、心血管イベントや予後との関連も示されており、早期の評価と適切な治療介入が重要です。
当院のSAS診療の基本方針
・いびきや日中の眠気を「年齢のせい」にしない
・客観的データに基づく診断
・上気道の形態評価を含めた耳鼻咽喉科的アプローチ
・CPAPだけに偏らず、原因に応じた治療選択
単なる機械的なスクリーニング外来ではなく、「なぜ閉塞するのか」まで評価する外来です。
スクリーニング検査
◾️ 簡易睡眠検査(在宅検査)
・センサーをつけて自宅で一晩眠るだけの検査です
・通常通りの睡眠中に測定
・呼吸停止回数(AHI Apnea Hypopnea Index)、酸素飽和度、無呼吸のタイプを評価

フクダ電子 睡眠評価装置を使用
対象の患者様:
・いびきが強い方
・日中に眠気がある方
・起床時の頭痛がある方
・高血圧・心疾患をお持ちの方
・肥満傾向の方

耳鼻咽喉科的評価(上気道評価)
◾️ 鼻咽腔ファイバースコープ検査
・鼻腔、軟口蓋、咽頭、喉頭の形態評価
・閉塞部位の推定
・鼻中隔弯曲、アデノイド肥大、扁桃肥大などを確認
これにより
・CPAP(Continuous Positive Airway Pressure 持続陽圧呼吸療法)が適切か
・手術適応があるか
・鼻治療で改善する可能性があるか
を医学的に判断します。
診断後の治療選択肢
診断がついた患者さまには、重症度と閉塞部位に応じて以下を提案します。
◾️ 生活習慣の改善(減量)
体重が増えると、舌やのど周囲に脂肪がつき、気道が狭くなりやすくなるため、睡眠中の無呼吸が起こりやすくなります。
また、睡眠時無呼吸症候群は眠気やホルモンバランスの乱れにより体重が増えやすくなることがあり、悪循環に陥る場合もあります。
そのため、治療とあわせて生活習慣の見直しも重要です。
◾️ CPAP療法
近年のCPAPは小型で静音性も向上しており、違和感なく使える方が増えています。
・中等症〜重症OSASの第一選択
・睡眠中の気道閉塞を防止
・心血管リスク低減が期待


フクダ電子 持続的気道陽圧ユニットを使用
◾️ 薬物療法
・鼻炎合併例への抗炎症治療
・鼻づまりを改善し、睡眠中の呼吸をサポートする治療
※単独で根治する治療ではありません
◾️ 手術療法
・扁桃肥大
・アデノイド肥大
・鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎など
このような上気道閉塞の明確な構造的原因がある場合に手術を検討します。
気になる方はご相談ください
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると事故や生活習慣病のリスクが高まる一方で、適切な検査と治療により改善が期待できる病気です。
当院では、センサーをつけてご自宅で一晩眠るだけの簡単な検査から始められます。
いびきを指摘されたことがある方や、日中の眠気が気になる方は、放置せず早めの検査をおすすめします。




