耳の病気は、聞こえの低下や耳鳴り、めまい、痛みなど、日常生活にさまざまな影響を与えることがあります。突然起こるもの、年齢とともに進行するもの、めまいや顔の動きに関わるものなど、原因や経過はさまざまです。耳は「聞く」だけでなく、体のバランスや顔の神経とも深く関係しているため、違和感を感じたら早めの評価が大切です。

 【症状で探す】あなたの耳の不調

🔴 早めの受診をおすすめする症状

  • 急に聞こえが悪くなった
  • 強い耳の痛みがある
  • 耳だれが続いている
  • めまいと難聴を伴う
  • 顔が動かしにくい・ゆがむ

🟡 よくある症状

  • 耳がつまった感じがする
  • 聞き返しが増えた
  • 耳鳴りが気になる
  • ふらつきがある
  • 耳がかゆい・違和感がある

これらは みみの病気のサイン の可能性があります。

 耳の構造と関連する病気

耳は大きく「外耳・中耳・内耳」の3つに分かれています。
どの部分にトラブルが起きているかによって、症状の出方や治療の方法が異なります。

  • 外耳:耳の入口から鼓膜まで(外耳道)
  • 中耳:鼓膜の奥で音を伝える部分
  • 内耳:音を感じたり、体のバランスを保つ部分

病気が起こる部位によって、症状や治療は異なります。

部位よくある症状・病気例
外耳耳あか、耳のかゆみ、外耳炎
中耳耳の痛み、耳がつまる、中耳炎
内耳難聴、耳鳴り、めまい
耳のしくみ図

耳の構造のイメージ

 検査

問診と診察で症状の背景を確認したうえで、状態に応じた検査を行います。

  • 顕微鏡・内視鏡による診察:鼓膜、外耳道を拡大して観察します
  • 純音聴力検査/ティンパノメトリー/耳小骨筋反射:難聴の有無と程度、中耳炎などの鼓室の状態、聴神経や顔面神経の状態を調べます
  • 赤外線フレンツェルによる平衡機能検査:眼振検査、頭位・頭位変換眼振検査
  • 画像検査:側頭骨CT(中耳炎や真珠腫の評価)、内耳道・脳MRI(脳腫瘍や脳梗塞の評価)
    ※必要なときは、他施設に検査依頼をします
検査・診断

 外耳の病気

耳あか(耳垢)

 耳あかは自然に外へ出てくるものですが、綿棒などで奥に押し込むと、詰まって聞こえにくくなる ことがあります。

主な症状

  • 耳がふさがった感じ
  • 聞こえにくさ
  • 耳の違和感

必要に応じて、安全に除去します。無理な耳掃除は控えましょう。

耳あか

外耳炎

 耳の穴の皮膚に起こる炎症です。

原因

  • 耳掃除のしすぎ
  • かき傷
  • 湿気や細菌感染

主な症状

  • 耳の痛み
  • かゆみ
  • 耳だれ

点耳薬などで治療します。悪化すると痛みが強くなることがあります。

外耳炎

 中耳の病気

急性中耳炎

鼓膜の奥(中耳)に起こる炎症です。
風邪のあとに起こることが多く、特にお子さんに多い病気です。

主な症状

  • 強い耳の痛み
  • 発熱
  • 耳だれ
  • 耳のつまった感じ
  • 聞こえにくい

抗菌薬などで治療します。必要により鼓膜切開を行うことがあります。

急性中耳炎

滲出性中耳炎(痛みの少ない中耳炎)

中耳に液体がたまり、聞こえが悪くなるタイプの中耳炎 です。
痛みや発熱がほとんどないのが特徴です。

主な症状

  • 耳がつまった感じ
  • 聞こえにくい
  • 小さな音に気づきにくい(小児)

長引くと聞こえや言葉の発達に影響することがあります。

滲出性中耳炎

慢性中耳炎

慢性中耳炎は、中耳の炎症が長期間(目安として3か月以上)続いている状態です。
急性中耳炎が治りきらなかった場合や、繰り返し中耳炎を起こしているうちに、炎症が慢性化して発症します。

主な症状

  • 耳だれが続く、または繰り返す
  • 聞こえにくさ(難聴)
  • 耳がつまった感じ、耳鳴りを伴うこともあります

耳だれや炎症を抑える治療を行います。状態によっては鼓膜を修復する手術をおすすめすることがあります。

慢性中耳炎

• 真珠腫性中耳炎

真珠腫性中耳炎は、慢性中耳炎の一種ですが、通常の中耳炎とは異なる注意が必要な病気です。
中耳の中に皮膚成分が入り込み、角質がたまって塊(真珠腫)を形成し、少しずつ大きくなっていきます。

特徴

  • 初期には症状が軽く、気づきにくいことがあります
  • 耳だれや難聴が進行することがあります
  • 進行すると、めまい・顔面神経の麻痺などを起こす可能性があります

真珠腫は周囲の骨を溶かしながら広がる性質があるため、早めの診断と対応が重要です。
CTなど詳しい検査が必要になることがあります。

 内耳の病気

突発性難聴

突発性難聴は、前触れなく突然、片方の耳の聞こえが悪くなる感音性難聴です。
前日まで普通に聞こえていたのに、ある朝起きたら急に聞こえなくなっていた、というケースが多くみられます。原因ははっきりと特定できていませんが、内耳(音を感じ取る器官)の血流障害やウイルス・免疫異常などが関与していると考えられています。

主な症状

  • 急に片方の耳の聞こえが悪くなる
  • 耳が詰まったように感じる・こもって聞こえる
  • 耳鳴りがする
  • めまいやふらつきを伴うことがある

突発性難聴は、発症からの時間が予後(治る可能性)に大きく影響します
発症後できるだけ早く治療を開始するほど、聴力が回復する可能性が高くなります。特に発症から 48時間以内 が重要とされ、2週間以上経過してしまうと改善が難しくなることが多いです。

老年性難聴

老年性難聴とは、加齢に伴って少しずつ進行する難聴です。
多くの場合、両耳で同じように聞こえにくくなり、特に高い音や言葉の聞き取りが難しくなってきます。
本人は「年のせいだから仕方ない」と感じていても、周囲から「テレビの音が大きい」「何度も聞き返すことが増えた」と指摘されて気づくケースも少なくありません。

主な症状

  • 会話の声は聞こえるが、内容がはっきり分からない
  • 特に騒がしい場所での会話が聞き取りにくい
  • 高い音(女性や子どもの声、電子音など)が聞こえづらい
  • テレビの音量が徐々に大きくなる

老年性難聴の主な原因は、内耳や聴神経の加齢による変化です。
難聴がひどく進行する前に、補聴器の使用を開始することが、聞こえの維持や脳の老化防止には効果的なようです。

メニエール病

メニエール病は、強い回転性のめまいを繰り返し、耳鳴りや難聴を伴うことがある病気です。
多くは片方の耳に起こり、聞こえが良い時と悪い時を行き来するのが特徴です。
めまい発作は突然起こり、数十分から数時間続くことがあります。

主な症状

  • 突然起こる強い回転性のめまい
  • 耳鳴り(キーン・ゴーなど)
  • 耳の詰まった感じ(耳閉感)
  • 聞こえが一時的に悪くなる

発作が治まると症状が軽くなることもありますが、発作を繰り返すうちに聴力が低下していくこともあります。
適切な治療と生活面の見直しがとても大切です。

• 良性発作性頭位めまい症(BPPV)

良性発作性頭位めまい症は、頭の位置を変えたときにぐるっと回るようなめまいを感じるのが特徴です
「良性」という名前の通り、命に関わる病気ではなく、自然に改善することも多いめまいです。

主な症状

  • 数秒〜数十秒続く回転性のめまい
  • 特定の頭の動きで毎回同じように起こる
  • 吐き気を伴うことがある

数週間〜数か月で自然に軽快するケースも少なくありませんが、、早期の回復を目的に耳石置換法(めまい体操)を行うこともあります。

 顔面神経麻痺

顔面神経麻痺は、顔の筋肉を動かす神経(顔面神経)の働きが低下し、顔が動かしにくくなる病気です。
多くは突然発症し、朝起きたときに異変に気づくケースがよくあります。
左右どちらか一方の顔に起こることがほとんどです。

原因について

  • ベル麻痺(原因がはっきりしないもの)
  • ハント症候群(帯状疱疹ウイルスが関与するもの)

ウイルス感染、免疫の低下、疲労やストレスなどが関係していると考えられていますが、必ずしも明確なきっかけが分からないことも少なくありません。

主な症状

  • 口角が下がる、口がうまく動かせない
  • 目が閉じにくい、まばたきができない
  • 水や食べ物が口からこぼれる
  • 顔がゆがんだ感じがする
  • 味が分かりにくい、耳の奥が痛む

多くの場合、数週間〜数か月かけて徐々に回復していきます。
ただし、重症例では後遺症が残ることもあり、適切な初期対応がとても重要です。

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