TASTE DISORDERS

味が分からない(味覚障害)

味が薄い・いつもと違う味がする・口の中が苦い方へ

「味が薄い」「いつもと違う味がする」「口の中が苦い」。 味覚の変化は、食事の楽しみや食欲にも影響します。

当院では、口・鼻・のどの状態に加え、 嗅覚や栄養、お薬の影響も確認します。 慢性上咽頭炎を伴う場合は、その診療・治療も検討します。

食事を口にしても味が分からず戸惑う女性のイラスト

味覚障害には、さまざまな現れ方があります

味覚障害は、味を全く感じなくなる状態だけではありません。 味の感じ方が弱くなったり、変わったりすることもあります。

  • 食べ物の味が薄い、味が分かりにくい
  • 甘味や塩味など、特定の味を感じにくい
  • いつもと違う味がする、おいしく感じられない
  • 苦味や金属のような味がする
  • 何も食べていないのに、口の中に味が残る

受診をおすすめする目安

症状が続く、食事量が減った、体重が落ちてきた場合は、 早めにご相談ください。急に味やにおいが分からなくなった場合も、 感染症などを含めて確認が必要です。

顔や手足の麻痺、ろれつが回らないなどの症状が突然現れた場合は、 救急受診が必要です。

「味が分からない」原因が、嗅覚にあることも

食べ物のおいしさや風味は、舌で感じる味と、 鼻で感じる香りが合わさって生まれます。 そのため、においを感じにくくなると、 味覚そのものに異常がなくても「味がしない」と感じることがあります。

味覚の変化

甘い・塩辛い・酸っぱい・苦い・うま味といった基本の味が 分かりにくい、あるいは違う味として感じられます。

嗅覚による風味の変化

甘さや塩味は分かっても、コーヒーや果物などの香りが分からず、 食べ物の風味を感じにくくなります。

味覚と嗅覚の両方を確認することが大切です。
この違いは診療の手がかりになりますが、 ご自身の感覚だけで原因を判断することはできません。 鼻づまりやにおいの変化も、診察時にお伝えください。

においが分からない(嗅覚障害)について →

味覚障害の主な原因

亜鉛不足・栄養の偏り

亜鉛不足は味覚障害の原因の一つです。 食事内容や吸収の問題などが背景にあることもあり、 必要に応じて血液検査で確認します。 鉄欠乏性貧血なども確認する場合があります。

耳鼻咽喉科と栄養について →

お薬の影響

お薬が味覚や唾液の分泌に影響することがあります。 症状が始まる前のお薬の追加・変更や、 サプリメントの使用も確認します。

口の乾燥・舌や口腔の病気

口の乾燥や舌炎、口腔カンジダ症などが、味の感じ方に影響することがあります。口呼吸を伴う場合は、鼻づまりや呼吸の習慣も確認します。

口呼吸対策・口テープの使用上の注意 →

風邪・新型コロナなどの感染後

感染をきっかけに味覚や嗅覚が変化し、 症状が残ることがあります。 感染後だからと決めつけず、 ほかの原因が重なっていないかも確認します。

鼻・副鼻腔の病気による嗅覚低下

鼻炎や副鼻腔炎などによって香りを感じにくくなり、 食べ物の味が分からないと感じる場合があります。

慢性副鼻腔炎について →

全身の病気・加齢など

糖尿病、腎臓の病気、神経の障害、加齢などが関わる場合もあります。 複数の要因が重なることや、 検査をしても原因が明確にならないこともあります。

当院での診療

  1. 症状と経過を伺います

    いつから、どのように味が変わったか、においは分かるか、 感染やお薬の変更があったかを確認します。 食事内容、口の乾き、鼻・のどの症状についても伺います。

  2. 口・鼻・のどを診察します

    舌や口腔粘膜の状態を確認します。 鼻づまり、後鼻漏、のどの違和感などを伴う場合は、 必要に応じて鼻咽腔内視鏡で鼻の奥や上咽頭の状態も確認します。

  3. 必要な検査・専門診療につなげます

    病状に応じて、亜鉛や貧血などを確認する血液検査を検討します。 詳しい味覚・嗅覚検査や、ほかの診療科での評価が必要な場合は、 適切な医療機関へご紹介します。

受診の際は、お薬手帳をご持参ください。 使用中のサプリメントも、商品名や成分量が分かるものを ご用意いただくと診療に役立ちます。

治療は、原因に合わせて考えます

  • 亜鉛不足などが関わる場合: 食事の見直しや、必要に応じた薬剤による補充を検討します。
  • お薬の影響が疑われる場合: 処方した医師と相談し、変更などの必要性を検討します。 自己判断で中止しないでください。
  • 口腔の病気や乾燥がある場合: 原因となる病気の治療や口腔ケアを行い、 必要に応じて歯科などと連携します。
  • 嗅覚の低下を伴う場合: 鼻・副鼻腔の病気や感染後の嗅覚障害などに応じた 治療・専門診療を検討します。

回復までの期間は、原因や症状の経過によって異なります。 味の感じ方だけでなく、食事量や体重の変化も確認しながら 治療を進めます。

慢性上咽頭炎を伴う場合について

上咽頭は、鼻の奥とのどの境目にある部分です。 この場所に炎症が続くと、後鼻漏、のどの違和感、 痰が絡む感じなどが現れることがあります。

味覚の変化に加えて、こうした症状が続く場合は、 口の中だけでなく上咽頭の状態も確認します。

当院で経験していること

当院では、慢性上咽頭炎を伴う方で、 上咽頭炎の治療に伴い「味が分かりやすくなった」など、 味覚の自覚症状が改善するケースも経験しています。

ただし、この経験だけで、上咽頭炎が味覚障害の原因だったと 断定することはできません。 嗅覚や風味の変化、自然回復、ほかの治療の影響なども 考慮する必要があります。

慢性上咽頭炎が確認された場合は、その病状に応じて 上咽頭擦過療法(EAT・Bスポット療法)などを検討します。 EATは味覚障害全般に対する効果が確立した治療ではなく、 味覚の改善を保証するものではありません。 適応や処置に伴う痛み・出血などについて説明したうえで 治療を進めます。

慢性上咽頭炎・EAT(Bスポット療法)について →

日常生活でできること

  • 食事は濃くしすぎない: 味が分かりにくくても、 塩分や糖分を増やしすぎないようにしましょう。
  • 食べやすい工夫をする: 温度や食感、彩りを工夫し、 無理なく食べられるものを探しましょう。
  • 偏りの少ない食事を心がける: 極端な食事制限を避け、 魚、肉、卵、大豆製品なども組み合わせましょう。
  • 口の中をやさしく清潔に保つ: 舌の表面を強くこすったり、 舌苔を無理に取り除いたりしないでください。
  • 亜鉛サプリを自己判断で増やさない: 過剰な摂取は銅不足などを招くことがあります。 補充量は医師に相談しましょう。
  • 経過を記録する: 味やにおいの変化、食事量、体重、 服薬の変更などを記録すると診療に役立ちます。
耳鼻咽喉科と栄養について →

よくあるご質問

味が分からないときは、耳鼻咽喉科で相談できますか?

はい。味覚に加えて、嗅覚や口・鼻・のどの状態を確認できます。 原因に応じて、歯科や内科、専門医療機関などとも連携します。

亜鉛を飲めば治りますか?

亜鉛不足が関わる場合には補充を検討しますが、 すべての味覚障害が亜鉛不足によるものではありません。 血液検査や食事・服薬の状況などを踏まえて判断します。

コロナの後から味が変わりました。相談できますか?

ご相談いただけます。 味覚そのものの変化か、嗅覚低下による風味の変化かを考え、 ほかの原因が重なっていないかも確認します。 必要に応じて専門医療機関へご紹介します。

味覚障害があれば、上咽頭炎の治療を受けられますか?

味覚障害があるという理由だけでEATを行うわけではありません。 上咽頭の診察で慢性上咽頭炎が確認された場合に、 その炎症に対する治療として適応を検討します。

関連する症状・診療

味の変化が続くときは、ご相談ください

「年齢のせい」「しばらくすれば治る」と思っていても、 治療できる原因が見つかることがあります。 奈良市・高の原の右京みみはなのどクリニックで、 口・鼻・のどと、食事やお薬の状態を一緒に確認しましょう。

診療予約はこちら

参考: 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「口腔・咽頭の病気:味覚異常」

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