OTITIS MEDIA WITH EFFUSION

滲出性中耳炎

耳の奥に水がたまる中耳炎。
耳だけでなく、鼻の奥まで確認します。

滲出性中耳炎は、強い痛みや発熱がないまま聞こえにくくなることがあります。当院では、鼓膜や聴力だけでなく、耳管の入口がある上咽頭まで確認し、大人と子ども、それぞれの原因や状態に合わせて治療を考えます。

01

ABOUT

滲出性中耳炎とは

鼓膜の奥にある「中耳」に液体がたまる病気です。急性中耳炎と違って強い耳の痛みや発熱が少なく、耳の詰まりや聞こえにくさだけが続くことがあります。

このような変化はありませんか?

  • 耳が詰まる、音が遠く感じる
  • 自分の声が耳に響く
  • 呼びかけへの反応や聞き返しが増えた
  • テレビの音量が以前より大きい
  • 鼻づまり、口呼吸、いびきがある
POINT

耳と鼻は「耳管」でつながっています。たまった液体だけを見るのではなく、耳管の働きを妨げる鼻・副鼻腔や上咽頭の状態まで確認することが大切です。

02

CAUSES

なぜ中耳に液体がたまるのか

中耳は耳管を通じて鼻の奥の上咽頭につながり、空気の入れ替えや分泌物の排出を行っています。耳管が腫れたり、うまく開かなかったりすると中耳の換気が悪くなり、鼓膜の奥に滲出液がたまります。

鼓膜、耳小骨、耳管と中耳にたまった滲出液の模式図
中耳の構造と滲出液耳管の換気が低下すると、鼓膜の奥に液体がたまります。
鼻咽腔のアデノイド肥大と耳管咽頭口の模式図
アデノイドと耳管咽頭口アデノイド肥大や周囲の炎症が、耳管の働きを妨げることがあります。
01

風邪・急性中耳炎のあと

鼻や中耳の炎症後に耳管の腫れが残り、貯留液だけが続くことがあります。

02

鼻副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎

鼻の炎症が耳管咽頭口周囲に及び、換気や排液を妨げます。

03

耳管の未熟さ・アデノイド肥大

子どもでは耳管が短く働きも未熟です。アデノイド肥大も長期化の一因になります。

04

上咽頭の炎症や病変

成人では上咽頭炎のほか、片側性の場合には耳管をふさぐ腫瘍性病変にも注意します。

03

ADULTS & CHILDREN

大人と子どもで、確認する点が異なります

大人の場合

片側だけの場合は、上咽頭の確認が重要です

風邪のあとや鼻副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などが原因になります。一方、片側だけに続く場合や繰り返す場合には、耳管の入口をふさぐ病変がないか、鼻咽腔ファイバーで上咽頭を確認します。

上咽頭がんは頻度の高い原因ではありませんが、見逃してはいけない病気の一つです。

子どもの場合

聞こえ・発達・鼻呼吸をまとめて評価します

耳管の未熟さ、急性中耳炎、鼻の炎症、アデノイド肥大などが関係します。自然に改善することも多い一方、長引く難聴はことばや学習に影響する可能性があります。

聴力や鼓膜に加え、口呼吸、いびき・無呼吸、アデノイドの状態も確認します。

04

EXAMINATION

当院で行う検査

1

鼓膜の観察

貯留液の有無に加え、鼓膜の陥凹や癒着などがないか確認します。

2

聴力・ティンパノメトリー

聞こえの程度と、鼓膜・中耳の動きを客観的に調べます。

3

鼻・上咽頭の確認

必要に応じて鼻咽腔ファイバーを行い、鼻の炎症、アデノイド、上咽頭や耳管開口部を観察します。

05

TREATMENT

状態に合わせて治療を選びます

治療は、年齢、続いている期間、難聴の程度、鼓膜の変化、日常生活への影響を見ながら段階的に選択します。

01経過観察・原因となる鼻の治療

小児では自然に改善することも多く、鼓膜に病的変化がなく難聴が軽い場合は、定期的に確認しながら経過をみます。鼻副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎があれば、あわせて治療します。

02耳管通気・自己通気

年齢や状態に応じて、耳管の換気を促す処置を検討します。

03鼓膜切開

鼓膜を小さく切開して貯留液を排出し、聞こえや耳の詰まりの改善を図ります。切開孔が閉じると再び液体がたまることがあります。

04鼓膜換気チューブ留置術

長期間続く難聴、鼓膜の陥凹・癒着、発達や生活への影響などがある場合に検討します。

05アデノイド切除術

アデノイド肥大が耳管機能や鼻呼吸、睡眠に強く影響している場合には、年齢や重症度に応じてチューブ留置術との併用を検討します。

06

NASOPHARYNX & EAT

上咽頭炎とEAT(Bスポット療法)

耳管の入口は、鼻の奥にある上咽頭に位置しています。当院では上咽頭炎を認める場合、年齢や症状、処置を受けられるかを考慮し、EAT(上咽頭擦過療法)をご提案することがあります。

実際に、上咽頭炎を伴う成人や、アデノイド肥大を伴う一部のお子さんで、EATを続けるなかで中耳の貯留液や聞こえが徐々に改善した症例を経験しています。

EATの位置づけ

EATは滲出性中耳炎の標準治療として確立した治療ではなく、効果には個人差があります。鼓膜切開、チューブ留置術、アデノイド切除術などを一律に置き換えるものではありません。

慢性上咽頭炎・EATについて詳しく見る
07

WHEN SURGERY IS NEEDED

必要な手術を先延ばしにしません

保存的治療を行う場合も、聴力や鼓膜、睡眠症状を定期的に評価します。次のような場合にはEATなどを漫然と続けず、手術や専門医療機関への紹介を検討します。

  • 難聴が強い、または長く続いている
  • 鼓膜の陥凹・癒着などが進んでいる
  • ことばの発達、学習、日常生活への影響がある
  • 強いいびき、無呼吸、日中の眠気などがある
  • 成人の片側性で、上咽頭の精査が必要と判断される

聞こえにくさや耳の詰まりを、痛みがないからと放置しないでください

耳と鼻の奥まで、丁寧に確認します

症状が続く方、お子さんの聞こえやいびきが気になる方はご相談ください。

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