鼻・のど・耳の不調を、体の内側からも考える|奈良市右京・高の原

鼻やのどの粘膜、味覚や嗅覚、免疫機能、神経の働きを維持するためには、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が欠かせません。

しかし、鼻やのどの症状が長引いているからといって、必ずしも栄養不足が原因とは限りません。

慢性副鼻腔炎アレルギー性鼻炎慢性上咽頭炎咽喉頭酸逆流症睡眠時無呼吸症候群、感染症など、まず耳鼻咽喉科の病気を正しく診断することが重要です。

鼻・のど・耳の健康は、局所だけではなく全身の健康とも関係しています。当院では診察や必要な検査を行ったうえで、食事や生活習慣、栄養状態も含めた総合的なご提案を行っています。

薬だけに頼るのでも、サプリメントだけに頼るのでもなく、病気の治療と生活習慣の改善を組み合わせて、回復しやすい体の土台を整えることを大切にしています。

  耳鼻咽喉科で栄養を診る理由

耳・鼻・のどの健康は、薬だけではなく、体の中で毎日行われている「修復」の力にも支えられています。
鼻やのどの粘膜は毎日新しく作り替えられています。そのため、傷ついた組織の修復や味覚・嗅覚、免疫機能、さらに食べたものを体のエネルギーに変える働き(エネルギー代謝)には、たんぱく質やビタミン、ミネラルが欠かせません。
ただし、栄養だけで病気を説明することはできません。当院では、まず耳鼻咽喉科の病気を正しく診断し、その治療を行ったうえで、回復を妨げる要因の一つとして栄養状態も確認します。

 このような方では栄養状態も確認します

次のような症状や背景がある方では、診察内容に応じて食事や栄養状態について確認することがあります。

✔︎ 風邪や感染症を繰り返しやすい
✔︎ 鼻やのどの炎症が長引いている
✔︎ 慢性上咽頭炎の治療を受けている
✔︎ 味が分かりにくい、舌が痛い
✔︎ 口内炎を繰り返す
✔︎ めまい、立ちくらみ、疲れやすさがある
✔︎ 食事量が少ない、または食事内容が偏っている
✔︎ 加工食品や外食が多い
✔︎ 成長期で食事量が不足している
✔︎ 高齢になり食事量や体重が減ってきた
✔︎ 自己流で複数のサプリメントを飲んでいる

症状の原因として内科的な病気などが考えられる場合には、適切な診療科への受診をご案内します。

 当院が重視しているのは「まず診断、次に栄養」です

栄養療法やサプリメントだけで、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、慢性上咽頭炎などを治療できるわけではありません。
当院では、次の順序を大切にしています。

  1. 耳鼻咽喉科の病気を調べる
    鼻、のど、耳の診察に加え、必要に応じて内視鏡検査、聴力検査、アレルギー検査などを行い、症状の原因を確認します。
  2. 食事と生活習慣を確認する
    食事量、たんぱく質の摂取、欠食、外食や加工食品の頻度、飲酒、睡眠、日光に当たる機会などを確認します。
  3. 必要な場合に血液検査を行う
    症状や診察所見から医学的に必要と判断した場合には、貧血、鉄、亜鉛、肝機能、炎症反応などを血液検査で確認することがあります。検査項目は一律ではなく、その方の症状や既往歴、服薬状況に応じて判断します。健康診断のような網羅的な栄養検査や、保険適用のない検査を全員に行うものではありません。
  4. 食事を基本に不足を補う
    まずは食事内容を整えることが基本です。食事だけでは十分に補いにくい場合や、必要性が高いと判断した場合に限り、サプリメントを補助的に活用します。

診療の流れ
① 耳鼻咽喉科の診察

② 必要に応じて血液検査(貧血・鉄、亜鉛、炎症反応、肝機能、ビタミンDなど)
※ 検査項目は症状によって異なります。

③ 食事・生活習慣のアドバイス

④ 必要な方には医療機関専用サプリメントをご提案

 鼻・のど・耳の健康に関係する主な栄養素

◾️ ビタミンD
ビタミンDは、骨を丈夫にするだけでなく、体を守る免疫の働きにも関わる大切な栄養素です。近年では、日本人の多くが不足していることがわかってきました。
ビタミンDは、日光を浴びることと、魚や卵、きのこ類などの食品から補うことができます。
当院では、繰り返す感染症、慢性上咽頭炎、長引く鼻やのどの症状などがある方で、年齢、食生活、日光に当たる機会、骨の病気、服薬状況などを踏まえて、補充が必要かを判断します。

◾️ ビタミンB群
ビタミンB群は、食べたものをエネルギーに変えたり、神経や皮膚・粘膜を健康に保ったりするために欠かせない栄養素です。
体内では多くの酵素反応を助ける補酵素として働き、糖質・脂質・たんぱく質の代謝を支えています。そのため、一つでも不足すると、体が栄養を十分に利用できなくなることがあります。
ビタミンB群は、肉や魚、卵、納豆、緑黄色野菜などに含まれています。偏った食生活や過度な飲酒などでは不足しやすくなります。
当院では、疲れやすさや口内炎、舌の痛みなどが続く方では、食事内容や生活習慣も含めて栄養状態を総合的に評価しています。

◾️
鉄は、全身に酸素を運ぶ赤血球をつくるだけでなく、体の中でエネルギーをつくる働きにも欠かせないミネラルです。
食べたものを体内で利用するためには、多くの酵素が働いています。鉄はその働きを支える大切な栄養素の一つです。
鉄は、赤身の肉やレバー、魚、あさりなどに多く含まれています。特に月経のある女性や成長期のお子さんでは不足しやすい栄養素です。
当院では、めまい、立ちくらみ、息切れ、疲れやすさなどの症状がある方で、必要と判断した場合には血液検査で鉄やフェリチンの状態を確認しています。

◾️ 亜鉛
亜鉛は、味覚や嗅覚、皮膚や粘膜の健康、免疫の働きに加え、体内で行われる多くの酵素反応を支える重要なミネラルです。
エネルギーをつくることや、細胞の修復・成長など、さまざまな生命活動に欠かせません。
亜鉛は、肉や魚、牡蠣、大豆製品などに多く含まれていますが、食事の偏りや加齢などによって不足することがあります。
当院では、味覚障害や舌の痛み、繰り返す口内炎、慢性的な鼻やのどの不調などがある方で、必要と判断した場合には血液検査で亜鉛の状態を確認しています。

◾️ マグネシウム
マグネシウムは、体内で行われる数百種類以上の酵素反応に関わる重要なミネラルです。
エネルギーをつくる代謝や筋肉・神経の働き、骨の健康などを支え、ビタミンDが体内で十分に働くためにも欠かせません。
マグネシウムは、ナッツ類、海藻、大豆製品、全粒穀物などに多く含まれています。加工食品が多い食生活では不足しやすいといわれています。
当院では、食事内容や症状を踏まえ、必要に応じてマグネシウムを含めた栄養状態を総合的に評価しています。

◾️ たんぱく質
たんぱく質は、筋肉だけでなく、皮膚や粘膜、免疫細胞、酵素など、体をつくり働かせるための材料になります。
ビタミンやミネラルだけでは体は十分に働きません。たんぱく質があって初めて、多くの酵素やホルモンが作られ、食べた栄養素を利用することができます。
肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などを毎日の食事でバランスよく摂ることが大切です。
当院では、食事内容や体調を伺いながら、必要に応じて血液検査などを参考に栄養状態を総合的に評価しています。

 サプリメントについての当院の考え方

「栄養やサプリメントには、本当に効果があるのですか?」
診療の中で、このようなご質問をいただくことがあります。

私たちの体では、毎日何千もの生化学反応が絶えず行われています。呼吸をすること、食べ物を消化すること、エネルギーをつくること、粘膜を修復すること、免疫が働くことなど、生命活動のほとんどは、体内の酵素によって支えられています。
そして、その酵素が十分に働くためには、たんぱく質だけでなく、鉄や亜鉛、マグネシウムなどのミネラルや、ビタミンB群、ビタミンDなどのビタミンが欠かせません。これらは酵素の働きを助け、体内の代謝を支える重要な役割を担っています。
そのため、栄養は「特別な治療法」ではなく、私たちの体が本来の働きを維持するための土台です。
もちろん、すべての不調が栄養不足だけで説明できるわけではありません。しかし、必要な栄養素が不足している状態では、本来備わっている回復力や生理機能が十分に発揮されないことがあります。

当院では、まず耳鼻咽喉科専門医として病気を正しく診断し、そのうえで必要に応じて栄養状態を評価します。基本は **毎日の食事や生活習慣を整える**ことですが、食事だけでは十分な改善が難しい場合や、不足が明らかな場合には、不足が考えられる栄養素を補う目的でサプリメントを活用することがあります。

必要のない栄養素を過剰に摂取すると、体調を崩したり、ほかの栄養素の吸収を妨げたり、薬の作用に影響したりすることがあります。そのため、食事から十分に摂取できている場合や、補充する医学的な必要性が低い場合には、サプリメントをおすすめしないこともあります。

 医療機関専用サプリメントを取り扱っています

サプリメントは、同じ栄養素が表示されていても、原材料、含有量、製造工程、品質管理などが製品によって異なります。

当院では、必要な方に適切な製品をご案内できるよう、原材料、品質管理、含有量などを確認した医療機関専用サプリメントを採用しています。

ただし、医療機関専用であれば誰にでも必要ということではありません。

診察や食事内容を踏まえ、必要な栄養素、摂取量、期間を個別に検討します。

 よくあるご質問

Q. 栄養状態を調べるために血液検査はできますか?
A. 症状や診察結果から医学的に必要と判断した場合には、保険診療の範囲内で血液検査を行うことがあります。すべての栄養素を一度に調べる検査や、希望だけによる網羅的な栄養検査を行うものではありません。検査項目は、症状、既往歴、服薬状況、これまでの検査結果などに応じて医師が判断します。

Q. サプリメントを飲めば鼻やのどの症状は改善しますか?
A. 不足している栄養素を適切に補うことで、体の正常な働きを支えられる可能性はあります。しかし、サプリメント自体が慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、慢性上咽頭炎などを直接治療するものではありません。病気に対する適切な診断と治療を行いながら、必要な場合に補助的に使用します。

Q. どのサプリメントを飲めばよいですか?
A. 「人気があるから」「免疫力に良いと聞いたから」という理由だけで選ぶことはおすすめしません。まず、食事内容、症状、持病、服用中の薬、現在使用しているサプリメントを確認します。そのうえで、必要に応じて血液検査も参考にし、不足が疑われる栄養素を選びます。
また、市販のサプリメントは価格だけでなく、原材料や含有量、吸収性、品質管理などに大きな違いがあります。同じ栄養素が表示されていても、製品によって品質には差があります。
当院では、品質や安全性に配慮された医療機関専用サプリメントを採用しています。必要な方には、食事内容や生活習慣、症状などを総合的に考慮し、一人ひとりに合わせてご提案しています。
サプリメントは健康の土台となる食事に代わるものではありません。毎日の食事を基本とし、その不足を補うための一つの選択肢として活用することが大切だと考えています。

栄養は治療の代わりではなく、回復を支える土台です

鼻やのどの症状を改善するために最も大切なのは、原因となっている病気を正しく診断し、必要な治療を受けることです。

そのうえで、食事、睡眠、運動、日光、口腔や鼻腔のケアなど、毎日の生活を整えることが、回復しやすい体づくりにつながります。

当院では、耳鼻咽喉科の専門診療を中心に、必要に応じて栄養や生活習慣にも目を向け、一人ひとりに合った無理のない方法をご提案します。

PAGE TOP