耳鼻科医がすすめる生活習慣|鼻・のど・耳の不調改善ガイド|奈良市右京・高の原
奈良市高の原の耳鼻咽喉科として当院では、
薬だけに頼らず、“日常の習慣によって症状を改善・予防すること” を大切にしています。
耳・鼻・のどの専門的な視点から、本当に意味のある習慣だけを厳選してご紹介します。ここでご紹介する方法は、正しく行えば大きな副作用はほとんどなく、誰でも今日から始められるものです。そして実際に、これらの習慣を取り入れることで、症状が軽くなったり、薬の使用が減る方も少なくありません。
症状の原因に応じて対策を選ぶことが重要です
(迷った場合は、まず鼻うがいから始めてみてください)
鼻づまり・後鼻漏が気になる方はこちら
朝のどが乾く・いびきがある方はこちら
気づくと口が開いている方はこちら
めまい・頭痛・だるさがある方はこちら
アレルギー体質を改善したい方はこちら
※ セルフケアはあくまで予防、治療の補助であり、改善しない場合は、お気軽にご相談ください。
① 鼻うがい(花粉対策、上気道炎・副鼻腔炎・上咽頭炎の方に)
◾️ 鼻の奥(上咽頭)までしっかり洗う

鼻うがいは単なる「鼻掃除」ではなく、
👉 上咽頭(ウイルス・花粉の溜まり場)までしっかりと洗う行為です。
空気中の異物は鼻腔や口腔を経由して、上咽頭にぶつかります。上咽頭は、口蓋扁桃同様に免疫細胞が豊富で、花粉・ウイルス・細菌・ハウスダストが滞留 し、炎症の“起点”になります。
つまり
👉「鼻うがい=原因を物理的に除去する治療」です。 ※上咽頭炎のページ参考
◾️ 鼻うがいの効果
✔︎ アレルゲン除去
・花粉、ハウスダストを直接洗い流す
・くしゃみ、鼻水、鼻づまり(花粉症、アレルギー性鼻炎)の軽減
✔︎ 感染予防
・ウイルス、細菌の付着を減らす
・上気道感染(かぜ、インフルエンザ、副鼻腔炎など)の頻度を下げる
✔︎ 鼻・のど症状の改善
・後鼻漏の改善
・ネバつく鼻水の除去
・咽頭違和感の軽減
✔︎ 粘膜環境の改善
・鼻、のどの乾燥を防ぐ
・ウイルスや異物からの防御機能を保つ
◾️ 鼻うがいの正しいやり方
① 洗浄液を準備する
・生理食塩水(0.9%)を使用
・目安:水500mL+塩4.5g
・温度:体温程度(36〜40℃)
※ 真水は痛みや粘膜障害を伴うためNGです。
② 姿勢を整える
・前かがみになる(上を向かない)
・口を開けて呼吸(「あー」と声を出すと楽)
③ 鼻にゆっくり流す
・片方の鼻に洗浄液を入れる
・反対側の鼻 or 口から出す
・力を入れず「流すだけ」
④ 反対側も同様に行う
1回あたり100〜200mL程度でOK
⑤ 最後に軽く鼻をかむ
👉 強く鼻をかむと中耳炎のリスクあり

「鼻の奥をやさしく洗い流す」イメージ
※ 重症の副鼻腔炎や慢性炎症では鼻うがい単独では効果が不十分であり、医療介入が必要です。
② 口テープ(いびき・のどの乾燥・睡眠の質低下に)
◾️ 口呼吸を防ぐというシンプルな対策
就寝中、もしくは起床中であっても無意識に口が開いてしまうことで「口呼吸」になっている方は少なくありません。
口呼吸は
・のど(上咽頭〜下咽頭/喉頭)の乾燥 👉 炎症
・いびき
・睡眠の質の低下
など、さまざまな不調の原因になります。

唇の中央に縦にテープを貼り、口を軽く閉じる程度に固定します
口テープは、口を軽く閉じることで鼻呼吸へ誘導し、これらの問題を改善するシンプルな方法です。
◾️ 期待される効果
✔︎ 鼻呼吸の促進
・口を閉じることで自然と鼻呼吸になります。
・鼻にはフィルター機能があり、異物の侵入を防ぐ役割があります。
✔︎ 気道が狭くなりにくい(いびきの軽減)
・口呼吸は舌が落ち込みやすく、気道が狭くなるためいびきの原因になります。
・口を閉じると、舌の位置が安定し、気道が保たれやすくなります。
✔︎ 睡眠の質の改善
・口呼吸は、気道の刺激を起こしやすく、無意識の覚醒(浅い眠り)を増やします。
・鼻呼吸になることで、呼吸がゆっくり安定し、途中で目が覚めにくくなります。
✔︎ 口・のどの乾燥予防
・口を開けて寝ると乾燥しやすくなり、違和感や軽い炎症が起きます。
・口を閉じることで、のどの乾燥が防がれ、快適に眠りやすくなります。
◾️ こんな方におすすめです
・朝起きると口やのどが乾く
・いびきを指摘される
・軽度の口呼吸がある
・睡眠の質を改善したい
・口呼吸による乾燥が原因で、のどを痛めやすい方
ただし、鼻づまりが強い、いびきや日中の眠気が強い場合は、鼻疾患(アレルギー・副鼻腔炎)や睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。
当院では鼻の通りを評価し、必要に応じて内視鏡で「見える化」して、適切な治療をご提案します。
③ あいうべ体操(口が閉じにくく、口呼吸になっている方に)
◾️ 口呼吸を改善するためのシンプルなトレーニング
あいうべ体操は、口や舌の筋肉(口輪筋、舌筋)を動かすことで、自然と鼻呼吸をしやすくするトレーニングで、「口呼吸のクセ」を改善するための基本的なセルフケアの一つです。福岡県のみらいクリニック院長である 今井一彰先生 によって考案されました。
◾️ やり方

▶ 1セットの流れ
「あ」→「い」→「う」→「べー」 と口を大きく動かします。
・あ:口を大きく開く
・い:横にしっかり広げる
・う:前に突き出す
・べー:舌を思い切り前に出す
👉 1つ1つをしっかり大きく動かすのが重要です。
入浴時やテレビを見ながらでOKなので、1日30回 × 2〜3セットを目安にやりましょう。
◾️ こんな方におすすめです
・無意識に口が開いている(お口ぽかん)
・気づくと口呼吸になっている
・朝起きると口やのどが乾く
・軽いいびきがある
👉 口を閉じる力(口唇・舌筋)が弱い方
あいうべ体操は、口呼吸のクセを改善する“補助的な手段” であり、「口呼吸の原因が筋機能にある場合」に有効です。原因が、鼻疾患や上咽頭炎、睡眠時無呼吸症候群の場合は、セルフケアだけでは改善せず、鼻やのどの評価が必要です。
④ 首こり予防(めまい・頭痛・慢性疲労・自律神経の乱れに)
◾️ 首こりは「全身不調の起点」になりうる
スマホやパソコンを長時間使うことで、首が前に出た姿勢(ストレートネック、いわゆるスマホ首)が続くと、首の筋肉に強い負担がかかります。
頭の重さは 約5〜6kg あり、前に傾くほど首への負担は大きくなります。
この状態が続くことで、首の筋肉が弱ってしまい、筋肉のこりによってたくさんの神経が圧迫され、正しい情報が全身へ伝わらなくなります。
※ 首こりは単なる「コリ」ではなく、血流や神経の伝達が滞る「交通渋滞」のような状態 です。
首は脳と体をつなぐ重要な通り道のため、ここで流れが滞ると、頭痛やめまい、倦怠感などの不調が起こりやすくなります。

◾️ なぜ首こりで不調が起きるのか
✔︎ 血流が悪くなる → 頭痛・めまい・倦怠感・目の疲れ
首の筋肉が緊張すると、周囲の血管が圧迫され、脳や内耳への血流が低下しやすくなり、その結果、
・頭痛
・ふわふわするめまい
・だるさ(倦怠感)
といった症状が起こることがあります。さらに、目の周囲の筋肉の緊張を伴ったり、内耳や聴覚に関わる血流や神経のバランスが乱れることで、
👉 目の疲れや「しょぼしょぼする感じ」
👉 耳のつまり感や聞こえにくさ
を自覚する場合もあります。(ただし、難聴が持続する場合は別の原因の評価が必要です。)
✔︎ 自律神経のバランスが失調状態になる
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、内臓の動きや呼吸、体温、血圧、血流、代謝などの生命活動の基礎部分のバランスをとっています。筋肉が緊張することによって自律神経のバランスが崩れ、心身のコントロールがきかなくなります。
◾️ 予防・改善のポイント
① 姿勢をリセットする
・スマホ、パソコンは目の高さに近づける
・長時間の前かがみ、同じ姿勢を避ける
・天井や空に視線を向ける
② 定期的に首を動かす
・15分ごとに30秒休憩する
・首を軽く後ろに倒す・回す(ネックリラクゼーション)
・首のすべての筋肉に伸び縮みをさせるように、日々繰り返し首の筋肉を鍛える
③ 首を温めて血流を改善
・首までつかって入浴する
・アツアツのタオルで首の後ろを温める
筋肉や姿勢などの機能的な問題によっておこる症状は、首こり対策で改善する可能性がありますが、首こりで説明できない症状や耳鼻咽喉科疾患を見逃さないことを大切にしており、必要に応じて原因を精査します。
⑤ 腸内環境を整える(体質的にアレルギーが出やすい方に)
◾️ なぜ腸がアレルギーに関係するのか
一見、鼻やのどの症状とは関係なさそうに思えますが、体の免疫の多くは腸に集中しており、腸内細菌が、免疫のバランスを調整する役割を持っています。
※ 腸内細菌の酪酸菌が作る「短鎖脂肪酸」は、体中を巡回するTリンパ球が大腸でTレグ細胞(制御性T細胞)に分化するのに関与しています。Tレグ細胞は免疫抑制を行なったり、すべてのものにアレルギーを起こさないように免疫寛容を行っています。
近年の研究では、
🍀 アレルギー性鼻炎の人は腸内細菌のバランスが乱れている
🍀 細菌の多様性が低いほど症状が重い
といった関連が報告されています。

👉 免疫細胞の約70%は腸に存在する
「腸は “体質”、鼻やのどは “症状が出る場所” です」
◾️ 今日からできる腸内環境の整え方
✔︎ 食物繊維をしっかり摂る
・腸内細菌のエサになる食物繊維(野菜・海藻・豆類)をしっかり摂る。
・フラクトオリゴ糖を多く含むキクイモ、ゴボウ、ニンニク、タマネギ、ネギをたくさん摂って、大腸の酪酸菌を増やし、Tレグ細胞を増やして、炎症を抑える。
✔︎ 発酵食品を取り入れる
・納豆や発酵調味料(醤油、味噌、酢)で善玉菌をサポートする。
✔︎ 加工食品・脂質・グルテン・カゼインのとりすぎを避ける
👉 腸内環境の悪化を防ぐ
腸内環境は、アレルギーや免疫に関わる重要な要素ですが、それだけで症状が決まるわけではありません。鼻の炎症、上咽頭の状態、生活習慣などが組み合わさって症状が出るため、必要な原因精査を行います。










